海外営業・販路拡大のコツ

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営業において国内外とも基本は同じ。目標をしっかりと設定し、それ達成するたの戦略、そして、そこに至る戦術を入念に構築することが重要です。もちろん、目標の難易度により、達成に費やす期間もおのずと変化します。



新たな製品のために新規販売ネットワークを構築する場合

 

対象となる製品について、現地での競合となる他社製品とを比較。その上で、果たして優位性があるか、差別化は可能かを検証。もし、その可能性が薄い場合は、製品企画から始めるべきでしょう。一方で、それが可能と判断できれば、代理店網の構築を進め、間接販売をするのか、大手ユーザーを中心にユーザーへの直販を進めるかを決めます。

 

同時並行で、どの地域を攻めるのか。十分に投資とリターンの釣り合いが取れる地域を設定をし、その上で、最低最初の3年間のPL(販売目標、必要経費、粗利益)計画をBestとWorstと2種類作り、3年目で黒字化が出来ないと判断する場合は、あまりお勧めではないと言わざるをえません。

 

代理店網経由の販売であっても、新しい代理店網のため、積極的に販売活動をしてもらうまでにはある程度の期間が必要です。こうした場合、代理店がターゲットにしている大手ユーザーを共同で攻略することが、代理店との信頼関係の構築において非常に有効です。

 

ユーザー直販の場合、競合他社がどうしても攻略できないユーザーにターゲットを攻略する方法と、競合他社製品を使っているユーザーへの売り込みの2つの方法がありますが、前者は難易度は高いですが、一旦、採用されれば利益を継続的に享受できます。

 

前者のためには、競合他社がどうして攻略できないのか、ユーザーの問題点、解決したい点は何かを根気強く、そのユーザーに入り込み誠意をもって、断られても根気よく攻めていくことが大切です。一方、後者は、前者に比べて難易度は低いですが、厳しい価格交渉が待ち受けていることを理解する必要があります。

 


M&A戦略による事業拡大

 

拡大の手法として、M&Aも時には有効です。例えば、私がサンフランシスコで販売会社の社長をしていた時、業務拡大、将来的な安定経営のため、中堅の良い技術、特許を持った工場の買収を行いました。業界が同一だった理由から、その会社のオーナーを良く知っており、また近い将来、オーナーの引退に伴い、会社を売却したい意向を持っていることも知っていました。

 

会社買収時には、3社との競合になりましたが、結果、私が購入することが出来ました。その理由としては、

その会社のオーナーとよく協議をし、どのような意向、希望を持っているか正確に把握し、できる限り、多くの従業員と面談を重ね、十分に納得して頂き、残留、退社を実施する計画を立てました。また弁護士、会計士をフルに活用し会社の価値を誠実に評価もしました。

 

その結果、私が提示した買収額は最高額ではなかったにも関わらず、オーナーの結論は私に売却するということでした。会社買収、売却は人が行うことで、数字だけではなく、誠実にオーナーの意向、従業員の意向を掴むことが大事です。

 


現地日本人会との交流からチャンス

 

アメリカの駐在中は、主に客先がアメリカの会社であり、また、従業員は全てアメリカ人であったため、日本人と接する機会は限定的でした。本社をサンフランシスコに移転した結果、沢山の日本食レストラン、沢山の日系企業と会う機会が出来ました。同時に現地の日本人会に参加することにより、今までと違った客先との交流ができ、横の繋がりが急速に広がりました。

 

それまでは、流通のチェーン店舗が主な客先でしたが、何とか工場の現場で使用してもらいたい製品があり、客先を探すのにとても苦労していました。そのような折に、日系の大手ハム会社の工場長と日本人会の会合で知り合い、親しくなり、前述の製品を初めて使用して頂きました。これを機に米国工場にも販売できることができ、人の繋がりの縁をしみじみ感じたのを覚えています。将来、海外へ駐在される方には、ぜひ、日本人会への接触もお勧めします。

 

 


コンサルタント活用によるネットワークの早期構築


インクジェット技術を使って、電子基板に回路を展開させる最先端の装置開発に非常に意欲的な半導体のメーカーがありました。その会社は、苦労の末に装置をつくりあげ、試作品の完成度も高く、国内での試験運転の状況も良く、次に販売ネットワーク(特に技術を持った販売、エンジニアリング会社を代理店候補として位置付ける)の構築が急がれました。

 

検討の結果、時間を買う形で、日本にはまだないその最先端の技術や業界に詳しいコンサルタントをアメリカからとある機関を通じ、高価でしたが招聘する手法を採用。結果、アメリカ、香港、台湾、韓国の期待以上のレベルの会社と交渉、その全てと短期間で代理店契約を結ぶ等、当初の目標を大きく上回る成果に繋がりました。時として、思い切ってコンサルタントを活用する選択が、結果として、効率的で安価で目標を達成につながるケースもあります。

 


アメリカへの工場進出 (進出検討の勘どころ)

 

日本は高い技術力を持ち、世界に誇れる多くの中小企業が歴史的にも日本の奇跡と言われる発展を支えてきたことは明白な事実です。ただ、これからの日本市場はさらに縮小していくという流れはもはやさけられない。外国企業(日系企業も含む)は現地での部品調達率を急速に向上させていかなければ現地会社と初めから差をつけられた上での競争を強いられることとなります。こうした状況下、自社のアメリカへの工場進出という選択について、一度真剣に検討してみることは重要です。


では具体的にはどのように検討をすすめればよいでしょうか?

 

まず、

1)既存の取引先、及び潜在的な取引先の地理的な状況を十分把握し、候補先の州を2-3に絞ってください。

2)その州の税制を確認してください。州税、消費税、優遇税制等は州毎に違います。

3)雇用状況(雇用安易度、人材確保安易度等)、現地従業員を数多く雇用することで優遇措置も変わります。

4)主要取引先の物流ルートがカバーしている地域なのか確認も必要。

5)協力メーカーに成り得る会社の検証も併せて行ってください。(例えば材料メーカー、メッキメーカー等)

6)土地、不動産、設備機器において州からの助成額の確認。

7)弁護士、会計士事務所との協議。

 

その他色々ありますが、上記を効率的に行う上では、州別に外国からの企業のサポート組織があり、無料で活用できます。(例えばオハイオ州のCloumbus2020などの機関があります)まず、こうした日本(殆どが東京にあります)にある、各州の駐日事務所へコンタクトして相談してください。

 


北米進出の指針

 

日本の製造製品をどのように海外で販売していくか。


北米での販売戦略、具体的には販売網の構築について、何をどのように検討すればよいのでしょうか?


まず、

1)差別化が出来、かつ北米での販売がスタートしていない製品が存在する場合:

⇒現法を設立し、現地代理店網を構築し、その中でKeyとなる代理店を育て、優遇し、現法がいつでも動けるようにしておく。

 

2)競合製品が現地に既にあるが、競争力は十分ある製品を有する場合:

⇒a) 現法は設立しない、その上で、現地での総代理店(元締め的な代理店)を設定し、彼らにネットワーク構築を委ねる。

⇒b) 現地で将来、エンジニア業務を行う前提であれば、現法を設立した上で代理店網を構築していく。

 

3)差別化が出来、かつ北米での販売がスタートできていない製品があり、かつ、将来現地生産を視野に入れている場合:

⇒現法を設立した上で、現地のKey販売代理店を設定し、同時に現地工場を設立する準備を進める。

 

いずれにしても、実際のところ、販売会社だけで現地にて黒字化することは非常に難しいもの。従って、製造、技術関連を伴わずに販売会社を展開していくのは得策ではないケースが多いです。

 

また北米は広大な地域でのNetworkであり、そのための維持には非常にコストが掛かります。詳細にコスト計算を行い、慎重に見極めながら検討を進めてください。