海外での会社経営のコツ


現地スタッフとのコミュニケーションを密にとることがもっとも重要


 

 

海外での会社経営・経営管理のコツは、やはり現地スタッフとのコミュニケーションがもっとも大事で鍵となります。

 

そして現地の信頼できる弁護士、会計士を見つけることが大事です。就任の時点で、会社がどのような状態か、例えば設立してまもない、順調にまわっている、そうでない等、いろいろなケースがあります。

 

 

既に設立されており、赤字経営が通年化している場合、

 

  • 赤字の根本原因の把握
  • 売上高、利益に見合う適正な経費を使っているのかを検証、多くの場合他面的な理由で生じている。
  • 売上高に影響度が少ない、経費削減(人員削減、投資効果が事前に検証されていない経費の削減)製品在庫が有る場合、売上高に見合う適正在庫の設定、Dead在庫の解消、外部委託業務の見直し(会計事務所、弁護士事務所)を即座に実施する。
  • 利益率の改善、本社が日本の場合、一定期間の仕入れ原価の低減、利益が見込める製品企画の推進が必要です。
  • 上記の様な改善、改革を進める場合は、Keyとなるスタッフの選定(総務、経理、営業、管理等)して、まず協力体制を構築することが最も大切です。
  •  売掛金に関して、継続した売掛金の遅延する代理店、ユーザーに対しては、自ら足を運んで、その会社の実態を把握し、財務的に継続する価値の無い代理店、ユーザーに関しては、製品を引き取るか、そうでなければ訴訟に覚悟を示し、強い態度で交渉し、必要であれば取引を辞める。
  • アメリカの場合、訴訟大国のため、訴訟を起こされることは日本と比較した場合、日常茶飯事です。それも、受け入れて処理していくことも経営の責任で、そのためには、信頼できる現地弁護士の選定が重要です。できれば、ローカルの弁護士事務所を自分で足で探せるとBetterです。

弁護士の活用

 

ローカルの弁護士事務所を探す場合、その前提知識として「ambulance chaser」という言葉(救急車が走っていると、必ず新たな仕事にありつこうとする弁護士達が後ろからついてくる)があるように、アメリカには弁護士が非常に多いために、その標準的なキャリア形成は日本とは大きく異なっています。州毎に試験が行われ免許が与えられる司法試験に通り、裁判官や検察官、そして弁護士になった場合、最初にある程度の事務所で務めたのち、日本の場合、その多くが独立となりますが、アメリカの場合、独立よりもその州内の会社員として企業内のコンプライアンス、法務部に勤め、その中でキャリア形成していく人がとても多いです。

 

従って、例えば訴訟おこされる等といった問題を解決する必要がある場合、ローカルの事務所を探すという選択肢の外に、その対象分野で専門特化した、あるいは、同業種に勤務経験の長い弁護士資格を持つ人材を会社のスタッフとして雇用してしまう、というのも実はポピュラーな方法です。そして雇う場合も、社内で「先生」といった特別な待遇を準備することは、よほどの特殊なキャリアの持ち主でないかぎり不要であり、他のアメリカ人の法務部やコンプライアンス部門のスタッフと同じような処遇、対応で問題ないケースがほとんどです。よほどの特殊とは、例えばアメリカの保険会社などの法務室で、100人以上のスタッフのほぼ全員がが弁護士の資格保有者といった会社で、その室長級の人材をヘッドハンティングで個室・秘書付きで迎えるケースといった場合です。そうしたケース以外であれば、このように日本とは異なり、弁護士であってもあくまでも、ある分野の法律に詳しい人材、弁護士事務所に依頼する際に対応を任せられる組織内の専門人材としての活用するといった方法がアメリカでは暗黙の了解として常識であることを覚えておかれるとよいでしょう。

 

 


会計と税務申告

 

アメリカでは、弁護士に加えて、会計士についても、州毎に試験があり免許があります。そして、弁護士と同様に、資格取得後、ある程度の会計事務所に勤務後、独立ではなく、会社に入ってキャリア形成していく人がとても多いです。日本の場合、大会社でなければ、税務申告等の担い手として、税理士事務所と顧問契約するケースが多いですが、日本からアメリカに進出する会社の場合、現地の会計事務所と契約するケースが多いです。

 

会社の取引記録には、日本基準(J GAAP)や国際会計基準(IFRS GAAP)等ありますが、アメリカでビジネスをすすめる時には、米国会計基準(US GAAP)での会計帳簿の作成が求められます。現在の日本の会計ルールである日本基準は、ほとんどが戦後に商法、監査とともにアメリカの会計基準が基礎となってできあがっていることから、その処理方法は多くが似通っています。ただし、その基準は日本よりも厳しく、それぞれ業界毎、州毎に細かい会計処理方法のルールが定められており、かなりやっかいで注意が必要です。そのため、税務申告のみが担える税理士よりも、会計まわりの代行業務や各種相談にも対応できる州の免許を持つローカルの会計事務所との顧問契約の検討が現実的な選択肢となります。

 

もっとも、契約にあたっては、弁護士事務所の話と同様に、会計士免許を有する会計士を会社に雇い、財務・会計・税務の専門人材として活用するといった方法も併せて費用対効果をにらみながら検討されることをお勧めします。

 

 


アメリカ、カナダでの雇用に関する相違と注意点

 

 

アメリカ、カナダの会社経営をしてきた経験上、両国のスタッフの雇用・採用に関するスタンスはかなり異なっており、注意が必要です。

 

基本的な考え方は、アメリカは雇用主を保護、カナダの場合は雇用書の保護をベースに雇用者を保護。従って、一般的にLay-Off(一時解雇)はアメリカにおいては比較的容易にできますが、カナダは、それなりの条件を示し、雇用者が納得しなければLay-Offは難しいと考えてください。

 

もっとも、両国において雇用者を解雇する場合、基本的には雇用契約に基づきます。必ず、弁護士と相談の上、会社の利益を保護する雇用契約を整えることが最重要です。


例えば、営業であれば、期待している活動を行わない旨の警告書を2-3回行い、その後、改善が出来ないことが明確であれば解雇は両国においてもできますが、その場合の、雇用者の費用負担は両国では違います。アメリカの方が安価で実行できます。いずれのおいても書面で明確な記録を残しておく必須です。

 

経営者においては、私が経営していた時代よりも、最近は一層にセクハラ、パワハラ等には厳しく法的に規制されていますので、社内的に厳しい規定を設けて、そのようなことが起きないように社員教育、管理は必須です。私がカナダの会社を経営した時、支社長とサービス責任者との関係が悪く、ある時サービス責任者が支社の行事に支社長が彼を誘わなっかたことに関して、パワハラとして会社を訴えました。結果として、裁判では会社が敗訴し、約300万円の支払いが命じられました。日本では考えられないことですが、北米においては常に裁判を起こされる可能性を秘めていることを考えて会社経営が必要です。